カテゴリー:ちょっと大人の小説
「先生、好きです! 結婚を前提に付き合ってください!」 椋(たかせ りょう)先生に告白したのは、高校二年の春。子どものくせに何が結婚だ。生徒と付き合う趣味はない。などと言われるのを覚悟していたけど、「僕で良ければ」 とまさかの返事だった…
「きゃうっ!」 今日は彼の家にお泊り。 このまま帰れって言われても、服を掴んで離さないんだから。こんな風に……。「ふふっ、押し倒されちゃったぁ~」 彼を両腕で抱き締めると、そのまま胸に顔を埋めた。「ねぇ……疲れちゃった。今日…
「んぅ……」 寝返りを打ち、重い瞼を開ける。目の前には、愛しい彼が眠っている。「可愛い顔してる……」 クスッと笑うと、彼はこちらを向いた。 前髪が流れて、片目を隠す。(いつもは格好いいのに、こういう時だけ可愛いのよね……)…
「これにする!」 私は白いウエディングドレスを力強く抱き締めて、徹(とおる)さんに見せた。「いいんじゃない? 麻衣(まい)に似合うと思うよ」 彼はそう優しく微笑むだけ。(他にも何か言ってくれてもいいのに……) 反対されたい訳じゃないけど、徹…
「香奈(かな)はまだなの?」 そう同僚に尋ねられて、私は首を傾げた。「まだって何が?」「またまた~、京輔(きょうすけ)君との結婚!」「あー……」 お昼に買ったパンに齧り付く。「あー……ってことは、まだ先なの?」「……多分」 あまり考えてもい…
私は今年で30歳になり、妻の美奈子は8歳上の実の姉です。私と美奈子が結婚して約10が経ちます。私が姉に女性として意識し始めたのは、美奈子が大学生の頃からです。初めて結ばれたのは、4年後でした。数年の月日が流れ私が高校を卒…
幸せの鐘が、私の中で鳴り響く。「夢みたい……」 深呼吸をして目を閉じた。 大好きな昌(まさ)君と家族になる日。知り合ったのは大学で、彼の方が一つ年上。同じサークルにいて、意気が合って……それからお出かけやランチを繰り返した。始めは友達感…